生産性向上のための指針
1. 総則
「1人でも多くの利用者に質の高いケアを届ける」という介護現場の価値を重視し、介護サービスの生産性向上を「介 護の価値を高めること」を目的とする。介護の仕事の価値を高める取組は、人材育成とチームケアの質の向上、そして情 報共有の効率化である。この3つを生産性向上に取り組む意義とし、介護サービスの質の向上と人材定着・確保を目指す。
2. 生産性向上委員会に関する事項について
(1)委員会の目的
介護の質を維持・向上させつつ、日々忙しい介護現場の職場環境をより働きやすく変えていくための対策を検討する為 の
「生産性向上委員会」を設置し活動を行う。
(2)委員会の構成
・院長(責任者)
・生産性向上委員会 委員長
・看護職員
・介護職員
(3)委員会の業務
生産性向上委員会は、定例開催(1ヶ月に1回程度)第4木曜日の他、必要に応じて開催し、次に掲げる事項について検 討を行う。
①見守り機器など介護記録ソフトを利用する場合における利用者の安全やケアの質の確保。
②職員に対する十分な休憩時間の確保等の勤務・雇用条件への配慮
③機器不具合の定期チェックの実施(メーカーとの連携)
④業務の効率化、ケアの質の確保、職員の負担軽減を図るための職員に対する教育研修の実施
また、実務改善に向けた以下の取り組みを行う。
①職場環境の整備
②業務の明確化と役割分担
③手順書の作成
④記録報告様式の工夫
⑤情報共有の工夫
⑥OJTの仕組みづくり
⑦理念・行動指針の徹底
(4)職員研修の実施
施設の職員に対し、業務の効率化、ケアの質の確保、職員の負担軽減を図るため院外研修へ積極的に参加し院内スタッフ にも情報を伝え周知していく。必要に応じて院内研修を行う。
3. 生産性向上のための手順
(1)改善活動の準備 ・改善活動に取り組むプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトリーダーを決める。
・経営層から事業者全体への取組開始を宣言する。
・「介護分野における生産性向上の取組の進め方」手順1を通じ、背景を理解し、取組意欲を高める。
(2)現場の見える化
・「介護における生産性向上の取組の進め方」手順2で生産性向上の一連のプロセスを学ぶ。
・「課題発見シート」を使い課題を見える化し、取り組む課題を洗い出す。
・「業務時間見える化ツール」で業務を定量的に把握する。
(3)実行計画を立てる
・解決する課題を絞り込み、プロジェクトチームで意見交換を行うことで、優先的に取り組むべき課題を決定する(課題分 析シート)
・課題解決のために必要な取組内容や職員の役割を決定する(改善方針シート)
(4)改善活動に取り組む ・まずはとにかく取り組み、試行錯誤を繰り返す。
・大きな成功は小さな成功の積み重ねから生まれるため、まずは小さな成功例を作り出す。
・取組の前後に、効果測定ツールを使って課題を把握する。
(5)改善活動を振り返る
・取組の途中経過を把握し、改善活動におけるゴールを達成するために必要な軌道修正を図る。
・取組の成果を検証する。
(6)実行計画を練り直す
・上手くいった点、上手くいかなかった点について分析を加える。
・優先度が低いと位置付けた課題を含め、改めて取り組む改善活動を検証する。
・実施計画の取組期間(3カ月を目安)を含めて、1年を目安にPDCAサイクルを回し、改善活動を継続させる。
4. その他
(1)介護分野における生産性向上の取組を進めるにあたり、厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき 業務改善を行っていく。
(2)入所者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
・本方針は入所者又は入所者家族等関係者からの求めに応じ、閲覧出来る状態とします。
・またホームページにも掲載しいつでも閲覧出来る状態とします。
参考資料:より良い職場・サービスのために今日からできること(業務改善の手引き)厚生労働省老健局
付則 令和7年4月1日 施行